IFRSにおける償却方法 Q. IFRS対応を想定した償却方法の見直しをしている事例がある? A. 過去3年間に、約141社が定率法から定額法への変更を行っています。 IFRSにおける償却方法は、「資産の将来の経済的便益を消費されると予測されるパターンを反映した方法」と定義されています。日本企業は、税法基準に準拠して建物を除き定率法の採用が多く、IFRS適用により、単体決算と連結決算で異なる会計処理を行う企業が増えると見込まれています。その中で、IFRSにて定額法を採用することを見越して、日本基準の償却方法も定額法に変更する企業が2013年度決算で108社、2014年度で57社と過去5年間で200社を超える企業が出ています。 Q. 日本基準の償却方法を変更する際のメリットとデメリットは何? A. メリットはIFRS適用時の財務諸表への影響が軽減されること。一方、デメリットは税務メリットが失われることです。 IFRS適用前に、IFRS基準で採用することを見越した定額法に変更することにより、定率法から定額法への切り替えで生じる固定資産の簿価及び償却費累計額の差がなくなるため、適用初年度の財務諸表へのインパクトが小さくなります。一方で、日本の税法基準独自の損金経理要件により、資産取得の初期段階で減価償却費が償却限度額より小さくなるため、税務上、限度額まで損金として認められなくなるというデメリットも。このように一長一短があるため、日本基準の償却方法の変更の際には、税務上の影響を考慮する必要がありますね。 IFRSまるわかり相談室 IFRSまるわかり相談室に戻る