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2023/10/24

海外拠点の固定資産管理を考える 第2回:在外子会社のIFRS16リース管理

リース会計基準の改正に向けた動き

2023年5月に企業会計基準委員会(ASBJ)より改正リースの公開草案が公表されました。
いよいよ日本基準にもIFRS16と同等のリース会計処理が求められるようになりますが、在外子会社では先行して実務対応報告第18号によりIFRS16(またはTopic842)に基づきリースの会計処理が行われています。


「とりあえずExcel管理」による限界

在外子会社のリース管理の実態に関するアンケート調査を実施したところ、2社に1社は「Excelでの管理」との回答でした。海外拠点だけでIFRS16の対応が必要となった企業の多くが、本社側で十分に検討する要員や時間を確保することができずにExcelでの対応を選択した結果、現在でもExcel台帳によるリース管理が続いているという状態になっています。

在外子会社では固定資産の減価償却計算においてもExcel台帳で管理しているケースが多々見られます。低コストで固定資産管理ができる反面、償却費計上の誤りや台帳と現物の不一致が発生するリスクがあります。

リース管理においても同様です。
IFRS16の基準ではリース期間と契約期間は必ずしも一致する必要はなく、合理的に使用する期間に応じてリース期間の見積を行う必要があります。
Excel台帳では1契約1行で管理することが多いですが、期間の見積が変わったタイミングで行を増やす必要があり、複数回の見積変更がおこると元明細まで遡ることが難しくなります。また、オンバランス対象の拡大により、リース契約や賃借契約も含めた減損損失の判定が必要となります。そのため数年間リース契約の管理をExcel台帳で行ってきたものの、コロナ禍の中でExcel管理の限界を感じた企業も多いと推測されます。

改正リース対応を機会に脱Excelを

在外子会社のリース契約は日本に比べて件数が少ないため、単独でのシステム導入での費用対効果を出しにくいという懸念があります。しかし日本基準の改正に合わせて在外子会社も含めたリース管理のグローバル統一を志向することで、相対的にコストを抑えたシステム対応が可能となります。
但し各国のリース契約の慣習により、日本では見られない特殊な契約となっていることもあります。そのため日本と海外の双方で実績があるシステムの検討が必要です。加えて、リース契約のオンバランス化に伴い、監査上も固定資産と同じ水準での管理が必要となってきます。
実際にIFRS16が適用された後、監査の際に海外のリース契約書の原本確認が求められた、という事例もあります。決算業務の効率化だけでなく、未然にリスクを防ぐという観点でも、海外リース管理の高度化が必要となるでしょう。



執筆者プロフィール

株式会社プロシップ 海外事業部 部長代行 藤田 友秀

2015年にプロシップに入社。

主にグローバル企業向けの固定資産管理システムの提案に従事。IFRS16対応プロジェクトにも携わる。

2018年から中国拠点も兼任し、日系企業向けの固定資産管理とリース資産管理の高度化に関するテーマでの情報発信を行っている。

リース会計ソリューション推進室 室長 巽俊介

経理担当者のための情報発信

日本のリースに関する会計基準

改正リース会計基準対応の勘所や、その時々の最新情報等をお伝えしています。

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