お役立ち情報 2024/01/08 日本のリースに関する会計基準 第11回適用時期見直しの根拠について 連載記事_新リース 2023年9月より企業会計基準委員会(以下ASBJ)にてリースに関する会計基準(以下新リース会計基準)の公開草案へ寄せられたコメントに対する審議が再開されていますが、最も関心を集めているのが適用時期の見直しです。 ここからは私見となりますが、新リース会計基準の適用時期は2027年4月以降に開始する事業年度からになると考えています。まだ議論が煮詰まっていない11月時点でASBJより今年度中の基準最終化が難しいと説明していること自体、適用時期の見直しを示唆しているのではないかと考えております。ここではそう考える根拠について紹介します。 まず現時点でASBJは新リース会計基準の適用時期は「基準を最終化する段階で決定する」とし、具体的な時期は明確にしていません。但し、2023年11月14日のASBJの審議会にて新リース会計基準の基準最終化は2024年3月までには難しいことの説明がされたこと(※1)により適用時期を見直す可能性が一気に高まっております。参考:第514回 企業会計基準委員会議事概要 PDF(※1)2024年3月までの基準最終化が難しい旨は上記ASBJの議事録2頁に記載がされています。 公開草案では適用時期を「公表から2年程度経過した日を想定している」としている 新リース会計基準の公開草案にある「2年」とは「強制適用事業年度の期首まで2年間(2事業年度)を確保する」という意味になります。そのため、仮に新リース会計基準の最終基準化が2024年6月頃に公表された場合、そこから2026年4月までは1年9カ月となるため、準備期間2年が確保できません。新リース会計基準の公開草案のパブリックコメントでも経団連を中心に3年以上の準備期間を求める声が多数挙がっており、これに反して2年より短い準備期間とするのは基本的にはないのではと想定されます。 2024年度の税制改正大綱にリース基準は触れられていない 2018年度に公表された収益認識基準では早期適用企業に合わせて同年度に同時に税制も改正がされています。新リース会計基準にあわせて税制も改正が想定されますが、去る12月22日に閣議決定された税制改正大綱にて、リース会計基準には全く触れられておりません。そのため、新リース会計基準に関連する税制改正は2025年度以降と想定されるため、自ずと基準公表も24年4月以降となると見込まれます。準備期間を2年と考えると適用年度は2027年度が妥当と考えられます。 執筆者プロフィール 株式会社プロシップ システム営業本部 取締役本部長 巽 俊介 2006年にプロシップに入社。 以来、大手・優良企業を中心としたお客様の数多くのソリューション提案に携わる。その現場で得た知見やノウハウをもとに、お客様の事例や現場の生の声を中心に固定資産の制度変更に関する情報を発信。 2014年からIFRS推進室長、2020年から制度対策推進室長、2023年からはリース会計ソリューション推進室長として最近は『日本国におけるリースに関する会計基準適用の影響と対応への勘所』をテーマにセミナー講師としても積極的に活動している。 お役立ち情報の一覧 に戻る 関連製品 新リース会計影響額試算ソリューション不均等払いなど細かな要件にも対応でき、影響額の精微な算出が可能。SaaS形式になるためグループ会社への展開も簡単。詳細を見るProPlus固定資産システムノウハウを集結し、あらゆる業種・業態の企業にマッチする固定資産管理機能を豊富に搭載。企業のIFRS適用も強力に支援。詳細を見るProPlusリース資産管理システム契約/物件情報管理、支払管理、開示資料作成などリース管理業務全般を効率化。詳細を見る 導入事例 各業界の大手企業、2社に1社がProPlusを採用しています。上場企業を中心に、あらゆる業種、業態、規模の企業に幅広く導入されています。 導入事例を見る セミナー情報 プロシップでは定期的に、固定資産管理に関連するセミナーを開催しています。 セミナー情報を見る