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2022/10/09

日本のリースに関する会計基準 第5回:リースに関する会計基準の適用時期の考察と経過措置

リースに関する会計基準(以下、新リース会計基準)は公開草案公表に向けた議論が大詰めを迎えています。

2022年9月21日に第487回企業会計基準委員会の審議資料(※1)に記載の通り、公開草案の目次レベルで既に8割方の審議が完了しており、適用時期や経過措置の議論が開始されています。ここでは最新の審議資料を基に適用時期を考察します。

強制適用の時期は遅くとも2026年4月から、また早期適用も認める方向

経過措置に関する審議資料(※2)には基準公表から強制適用まで2年を基礎に検討がされています。

仮に今年度中に公開草案が公表され、1年後の2023年度中に基準書が公表されると仮定すると、そこから最短で2年後の2025年度ということなります。なお、過去の会計基準では資産除去債務などが強制適用までに2年間の期間を設けていたことがあります。


一方で2021年度から適用となっている「収益認識に関する会計基準」は準備期間に3年を設けています。理由は収益に関する会計処理が日常的な取引に対して行われるものであり、企業において経営管理及びシステム対応を含む業務プロセスを変更する必要性が生じる可能性があり、通常の準備期間に比べより長期の準備期間を想定する必要があると2018年公表の収益認識会計基準の第157項で説明しています。

私見にはなりますが、新リース会計基準もIFRS16号の事例を踏まえると、不動産リースを中心に業務やシステムに与える影響は大きいことから準備には3年程度必要ではないかと考えるため、今後見直される可能性があることを踏まえると、適用時期は遅くとも2026年4月から開始する事業年度からと想定されます。

適用初年度における経過措置にも注意が必要

経過措置はIFRS16号の経過措置と整合が取れるよう検討が進んでいます。

ここでのポイントは経過措置は①完全遡及アプローチ又は②累積キャッチアップ・アプローチの選択になることです。
完全遡及アプローチとは適用年度以前に契約しているリース契約にも全て遡及してオンバランス計上する方法であり、累積キャッチアップ・アプローチとは過去に遡ってのオンバランス計上は実施しないものの、適用開始日に過去の累積的影響額を現在の利益剰余金の期首残高の修正として認識する方法となります。

ここで注意すべきはどちらの会計処理を選択しても適用年度時点で既に契約中のリース契約も対象になることにあります。


過去の2007年に改正された日本のリース会計基準(所有権移転外ファイナンス・リース取引の例外処理は廃止し、売買取引として処理する)では経過措置として2007年以降に新規に契約するものから対象とし、既存の契約中のリース契約は対象外とする処理も認められていましたが、今回はそのような経過措置は議論がされていません。

※1:参考資料:https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20220921_04.pdf
※2:参考資料:https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20220921_09.pdf

執筆者プロフィール

株式会社プロシップ システム営業本部 取締役本部長 巽 俊介

2006年にプロシップに入社。

以来、大手・優良企業を中心としたお客様の数多くのソリューション提案に携わる。その現場で得た知見やノウハウをもとに、お客様の事例や現場の生の声を中心に固定資産の制度変更に関する情報を発信。

2014年からIFRS推進室長、2020年から制度対策推進室長として最近は『日本国におけるリースに関する会計基準適用の影響と対応への勘所』をテーマにセミナー講師としても積極的に活動している。

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