お役立ち情報 2023/05/02 日本のリースに関する会計基準 第7回リースに関する会計基準の公開草案が公表 連載記事_新リース 企業会計基準委員会(以下ASBJ)より2023年5月2日にリースに関する会計基準の公開草案(以下、新リース会計基準)が公表されました。 ASBJは、我が国の会計基準を国際的に整合性のあるものにする取組みの一環として、2019年3月にリースに関する会計基準の開発に着手することを決定し、約4年間審議が進められ今回の公表に至りました。新リース会計基準の特徴はIFRS第16号と同様に、全ての借手リースについて使用権資産及びリース負債を計上する点であり、特に建物賃貸借契約など不動産リースもオンバランスの対象となることから、多くの企業にとって影響のある改正になると想定されます。 新リース会計基準の適用時期を考察 新リース会計基準において適用時期は「会計基準の公表から強制適用までの期間を2年程度とし早期適用を認める」と記載がありますが、適用時期の記載はありません。 これから新リース会計基準に対するコメント募集が3か月間にわたり実施される予定で、そのコメント内容を踏まえて適用時期が決定される予定です。ここからは私見となりますが、日本企業は3月決算が多いことから、過去の会計基準も3月31日に基準書が公表されるケースが多く、仮に2024年3月31日までに基準書が公表されると、そこから準備期間は2年として2026年4月1日以降に始まる事業年度より強制適用になると想定されます。 実務上の負担への対応として重要性が乏しい場合の処理や経過措置が認められる予定 重要性に関しては現行のリース会計で認めている300万円ルールが継続できる予定です。 そのため現行300万円基準を採用されている場合は、資産計上の金額基準は変わらないことになります。 但し、これまではオフバランスであった建物賃貸借契約などの不動産リースは、賃借料総額で300万円を超える契約は原則オンバランスが必要になりますので注意が必要です。 また現行のリース会計基準によらない会計処理が行われていたもの(借地権 、 建設協力金等の差入預託保証金)について、従来の会計処理を継続することができる経過措置などが設けられる予定です。 執筆者プロフィール 株式会社プロシップ システム営業本部 取締役本部長 巽 俊介 2006年にプロシップに入社。 以来、大手・優良企業を中心としたお客様の数多くのソリューション提案に携わる。その現場で得た知見やノウハウをもとに、お客様の事例や現場の生の声を中心に固定資産の制度変更に関する情報を発信。 2014年からIFRS推進室長、2020年から制度対策推進室長、2023年からはリース会計ソリューション推進室長として最近は『日本国におけるリースに関する会計基準適用の影響と対応への勘所』をテーマにセミナー講師としても積極的に活動している。 お役立ち情報の一覧 に戻る 関連製品 新リース会計影響額試算ソリューション不均等払いなど細かな要件にも対応でき、影響額の精微な算出が可能。SaaS形式になるためグループ会社への展開も簡単。詳細を見るProPlus固定資産システムノウハウを集結し、あらゆる業種・業態の企業にマッチする固定資産管理機能を豊富に搭載。企業のIFRS適用も強力に支援。詳細を見るProPlusリース資産管理システム契約/物件情報管理、支払管理、開示資料作成などリース管理業務全般を効率化。詳細を見る 導入事例 各業界の大手企業、2社に1社がProPlusを採用しています。上場企業を中心に、あらゆる業種、業態、規模の企業に幅広く導入されています。 導入事例を見る セミナー情報 プロシップでは定期的に、固定資産管理に関連するセミナーを開催しています。 セミナー情報を見る