お役立ち情報 2024/12/04 固定資産管理とは?経理担当者が知っておくべき業務内容と運用方法 固定資産管理 経理を担当する方のなかには、「固定資産管理のポイントを知りたい」「固定資産管理の運用方法を理解したい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 固定資産管理は、企業全体の運営や戦略に深く影響を与える非常に重要な業務です。減価償却費の計上、固定資産台帳の作成など、経理担当者が固定資産をしっかりと管理することで、大きなミスの防止や節税対策などにつながります。 本記事では、経理担当者が押さえておくべき固定資産管理に関わる業務内容や運用方法について、詳しく解説します。適切な固定資産管理について知りたい担当者の方は、ぜひ参考にしてください。 企業経営に欠かせない固定資産管理 企業経営において固定資産管理が重要視される理由は、以下の3つです。 財務報告の適正化 不要な固定資産や経費の管理 適切な管理体制によるセキュリティ面の強化 それぞれ解説します。 財務報告の適正化 固定資産管理における適切な会計処理は、企業の財務状況を正しく反映するために不可欠です。 固定資産の償却方法には、定額法や定率法などがあります。定額法は、資産の耐用年数にわたって均等に償却費を計上する方法であり、定率法は、償却費が初期に多く計上され、その後は徐々に減少する方法です。 企業に最も適した償却方法を選ぶことで、より正確な財務状態を外部に報告することが可能です。 さらに、固定資産の購入、償却、廃棄に関する適切な会計処理を行うことで、企業は財務諸表の正確性を保ち、経営の健全性を維持できます。監査や税務調査の際にも問題が少なくなり、企業の運営をスムーズに行う効果もあるのです。 例えば、固定資産の廃棄や売却時に正確な会計処理を行うことで、企業の財務の信頼性を確保し、投資家や貸し手などステークホルダーからの信頼を得ることができます。 このように、適切な固定資産管理は企業の財務健全性を高め、長期的な成長を支える基盤となるのです。 不要な固定資産や経費の管理 企業の運営コストや経営資源を最適化するうえで、不要な固定資産を洗い出し経費の管理を行うのも、固定資産管理の重要な役割です。 企業が持つ固定資産のなかには、過去の投資によるものや現在はあまり使用されていないものなども含まれます。固定資産の管理が適切に行われていないと、現物の固定資産と管理台帳が一致しなくなったり、固定資産の価値を把握できずに経費が増加したりなどのリスクがあるのです。 不要な資産を定期的に見直し、処分や再利用を行うことで、資源の無駄使いや経費の削減につながります。また、企業が保有する固定資産には、固定資産税がかかるため、不要な資産を定期的に見直して処分や再利用を行うことで、節税にもつながるのです。 固定資産をしっかり管理しておけば、現状の資産の状態を把握できるため、今後購入すべきものや必要となる費用の予測ができる点もメリットです。 適切な管理体制によるセキュリティ面の強化 適切に固定資産を管理することは、企業が保有する資産を盗難や紛失といったリスクから守ることにつながるため、企業のセキュリティ強化の役割も果たします。 例えば、ソフトウェアや社用パソコンを管理する場合、貸し出しや修理、廃棄などの利用状況を適切に管理しておけば、買い替えやオフィス移転があっても、紛失や数が合わないといったリスクを回避しやすくなります。万が一、盗難や紛失などの問題が起こったとしても、固定資産を適切に管理していれば、記録から追跡しやすいため、迅速に対処を行えるでしょう。 固定資産を適切に管理するためには、社内で管理体制を整えつつ、統一した管理ルールやガイドラインを作成し、全社員に共有しておくことが大切です。 プロシップの総合固定資産管理ソリューション ProPlus 選ばれる理由やお客様のお声など、詳細はこちらからご確認ください。 経理が固定資産を管理する上で重要なポイント 経理担当者が固定資産を管理するうえで重要なポイントは、以下の2つです。 会計管理として固定資産台帳を記録する 物品管理として帳簿上の資産と現物をチェックする それぞれ解説します。 会計管理として固定資産台帳を記録する 固定資産管理において、経理担当者は固定資産台帳を記録し会計処理を行うことが求められます。固定資産台帳の記録は、企業の財務状態の正確な把握を可能にしたり、税務申告や財務報告の際に必要なデータとなるため、会計管理における重要な役割を担う業務です。 固定資産台帳に記録する内容として、以下の例が挙げられます。 固定資産の名称 固定資産の購入価格(取得価額) 固定資産の数量 固定資産の購入日(取得年月日) 固定資産の使用開始日(供用開始年月日) 固定資産の所在地 固定資産の種類 固定資産の耐用年数 固定資産の償却方法 固定資産の償却率 固定資産の減価償却費 固定資産の帳簿価額 固定資産台帳を適切に記載することで、税務申告の準備や財務状況の把握がしやすくなります。また、無駄な投資や不正使用を防ぐための基盤にもなるのです。 正確性を維持するために、経理担当者は定期的に固定資産台帳のチェックと更新を行うようにしましょう。 物品管理として帳簿上の資産と現物をチェックする 固定資産の現物管理も、経理担当者の大切な業務です。帳簿に記載されている固定資産と現物が一致しているかのチェックを行い、個数の誤差や不一致がないかを確認する棚卸を行います。 現場は、不要になった資産を確認せず独断で処分したり、知らないところで新しい資産を購入していたりする可能性があり、必ずしも資産状況を逐一報告してくれているとは限りません。 そのため定期的に物品の棚卸を行い、固定資産台帳に記載されている資産と突き合わせて実際の資産状況を把握する必要があります。 固定資産の現物管理を行い資産の状況を定期的にチェックすることで、資産の適切な保守管理や更新の計画を立てることが可能です。また、盗難や紛失といったリスクを軽減できるメリットもあります。 固定資産の現物確認は、企業の内部統制の一環としても非常に重要であり、企業が保有する資産全体の透明性を高める助けとなります。 固定資産管理業務の概要 固定資産管理業務の基本的な内容は、以下のとおりです。 支払いや会計処理を行う 取得~処分までの記録を固定資産台帳に記載する 固定資産に管理ラベルを貼り付ける 資産状況の棚卸しを実施する それぞれの業務について、具体的に解説します。 1.支払いや会計処理を行う 請求書を受け取ったら、支払いや会計処理を行います。減価償却の対象となる償却資産の場合は、資産の耐用年数や償却率をもとに減価償却費を算出して計上します。 固定資産の減価償却は、税法によって償却率や耐用年数が定められているので、適切な方法で計算することが必要です。 2.取得~処分までの記録を固定資産台帳に記載する 固定資産を取得したあとは、取得から処分までの履歴を管理するために固定資産台帳に記載を行います。 固定資産台帳は、企業の固定資産の数や状況を管理する重要な資料のため名称や購入価格、購入日や償却関連情報などできるだけ詳細に記載しましょう。 社内で固定資産台帳に記載する項目をルール化しておくと、記載内容が統一され把握しやすくなります。 また、固定資産管理台帳に固定資産のコンディションやメンテナンスの履歴も記録できるようにしておけば、現物管理も同時に行えます。 リースで利用している資産がある場合、リースの管理台帳も作成する必要があります。リースの管理台帳には、リース会社名や月額のリース料金、契約番号など、リース管理に必要な項目を記載しましょう。 3.固定資産に管理ラベルを貼り付ける 現物の固定資産と台帳での記録を紐づけるために、固定資産に管理ラベルを貼り付けます。 管理ラベルの貼り付けは必須ではありませんが、棚卸しの際に企業にある物品と台帳に記載されている固定資産を照合しやすくなります。 管理ラベルには、資産番号や資産名、取得年月日などを記載しましょう。近年ではバーコードやQRコードの発展により、管理ラベルにバーコード等を印字しておけば、それをスキャンするだけで簡単に管理や更新ができる方法もあります。 ラベルを貼り付ける場合、資産の使用環境によっては汚れたり劣化しやすかったりするため、なるべく耐久性のよいラベルを選ぶのがおすすめです。 4.資産の棚卸しを実施する 棚卸は、固定資産の現物と固定資産台帳の記録に違いがないかを確認するための重要なプロセスです。 具体的には、企業内に存在するすべての固定資産の現物を確認し、その状態や数量、位置をチェックします。 棚卸し作業を開始する前に、最新の固定資産台帳を準備し、台帳に記載されている資産のリストに基づいて実物の確認を行います。資産ごとに割り当てられた管理ラベルやバーコードを利用すれば、迅速かつ正確に資産を特定できます。 棚卸しの過程で差異が出た場合は、その原因を調査し必要に応じて修正を行います。例えば、台帳に記載されている資産が現場に存在しない、またはその逆のケースがあれば、盗難や紛失、記録ミスなどの可能性を検討します。 また、棚卸は、固定資産の適切なメンテナンスが行われているかを確認できる大切な作業です。例えば、機械や設備が定期的に点検、保守されているかどうかをチェックし、未実施のメンテナンスがあれば、計画を立てて実行します。 最終的に、棚卸しの結果をもとに固定資産台帳を更新し、すべての資産情報を最新の状態に保つことが求められます。 棚卸しは、企業の資産管理を効率的に行うために不可欠な作業であり、企業の財務における健全性の確保に直接貢献するプロセスです。 プロシップの総合固定資産管理ソリューション ProPlus 選ばれる理由やお客様のお声など、詳細はこちらからご確認ください。 固定資産管理で起きやすい失敗事例 固定資産管理で起きやすい失敗事例は、以下の2つです。 現場の管理ができておらず帳簿と現物に差異がある 最新の法令や会計基準に関する情報をアップデートしていない それぞれ説明します。 現場の管理ができておらず帳簿と現物に差異がある 固定資産管理における失敗例として、現場の資産管理ができておらず、帳簿と現物に差異が起こってしまうケースが挙げられます。固定資産の使用や移動、廃棄などが適切に報告されないため、帳簿が現状に合わせて更新されていないことが原因です。 固定資産管理が適切にできていないと、企業の財務諸表の正確性が損なわれ、監査時に問題が発覚する可能性があります。 企業は、定期的に棚卸しを実施したり、管理方法の見直しを行ったりなど、適切な固定資産記録の維持に努めることが重要です。 まずは、固定資産を取得したときの管理ルールや取り決めを各部署へ共有し、社内で統一した認識を持つことが大切といえます。現場と会計部門のスムーズな連携ができる環境にすることで、固定資産管理を効率よく行えるでしょう。 最新の法令や会計基準に関する情報をアップデートしていない 固定資産の会計処理においては、最新の法令や会計基準に基づいて処理を行うことが求められます。 しかし、これらの情報の更新を怠ると、減価償却の方法や資産の評価に誤りが生じ、税務上の不利益や会計上の誤りを招くことになります。 例えば、改正された税法に基づく減価償却の適用を怠ると、過少または過大な税金が課せられる可能性があります。 企業は、常に法令の改正をチェックし、適切な会計処理を実行する管理体制を整えることが必要です。 最新の税法や会計基準に対応している固定資産管理システムを導入することで、複雑な減価償却費などを自動で計算してくれます。入力や計算ミスなどのリスク減少につながるため、固定資産管理システムの導入も検討するとよいでしょう。 まとめ 固定資産の管理は、企業の運営に直接関わる重要な業務です。経理担当者は、会計管理の適正化や定期的な棚卸しの実行など、企業の固定資産を適切に管理することが求められます。 現物と帳簿の差異など、固定資産を管理するうえで起きやすい事例を回避するために、固定資産管理システムの導入や社内ルールのマニュアル化などを行い、スムーズに固定資産管理を行える環境を整えていくことが重要です。 固定資産の管理にシステム導入をお考えなら、プロシップの「ProPlus固定資産システム」をぜひご検討ください。ProPlusは、企業が保有する固定資産を、会計・税務・現物など、総合的な観点で管理するシステムソリューションです。その専門性の高いサービスをご評価いただき、各業界の大手企業の半数に採用されています。 興味がある方は、「総合固定資産管理ソリューション ProPlus」の詳細をご確認ください。 プロシップの総合固定資産管理ソリューション ProPlus 選ばれる理由やお客様のお声など、詳細はこちらからご確認ください。 お役立ち情報の一覧 に戻る 関連製品 ProPlus固定資産システムノウハウを集結し、あらゆる業種・業態の企業にマッチする固定資産管理機能を豊富に搭載。企業のIFRS適用も強力に支援。詳細を見る 導入事例 各業界の大手企業、2社に1社がProPlusを採用しています。上場企業を中心に、あらゆる業種、業態、規模の企業に幅広く導入されています。 導入事例を見る セミナー情報 プロシップでは定期的に、固定資産管理に関連するセミナーを開催しています。 セミナー情報を見る